埃っぽい崖の下で横たわっている。頭ががんがんして、頬骨は左右の高さが違うし、右足首なんか変な方向に曲がってる。左足は感覚がなくて暗くてよく見えない。違うな、目がよく見えてないだけだ。
なんでこんなことになってるんだっけ?いつもと同じように学校帰りに教会に隠れて、バレエ教室をサボって時間が過ぎるのをやり過ごしていただけだ。小さな、それでも確かで熱心な祈りに支えられた教会は、マリア像の口が裂けていた。
踊ったり、飛び跳ねたりしている間だけは、すべてを忘れられたし、私は世界じゅうの時計の針を止めることができた。
間違いなく私は幸福であった。
でも、それは私がほしいものではなかったのだ
崖の下で横たわっているあいだ、ずっとあなたのことを考えていた。小夜鳴鳥のさえずりが夕闇に消える。