6月12日の夢
夢でよくあるのが「自分を見ている」ということ。私たちは自らの身体の一部に目がくっついているのだから、自分の手や足は視界に入るけれど全身は見渡せない。しかし夢世界では自分が「自分」を見ているという状況がままある。現実での私たちと身体の関係が『マリオカート』なら、夢で「自分」が登場して動いているさまは『スーパーマリオブラザーズ』のような、わかるかしら。
私はドラえもんの着ぐるみを着ていた。ただ、まともな着ぐるみと言えるのは首から下の部分のみで、肝心の頭の部分は異様に大きく潰れた気球のようにシワシワしているのだった。ペンで色付けされたビニールを継ぎ足したもので、おそらく直径2メートルはあった。透明のビニール傘にプロッキーで絵を描いたときのような、粗く塗り重ねられたインキは一応ドラえもんの顔をしていて、しかし如何せん私の顔にフィットしないし詰め物で調整もしていなかったので、動くたび風が吹くたびベコベコのシワシワになった。そんな姿で私は悪の陰陽師と戦ったり、ロードレースに参加したり、防空壕に閉じ込められたりしていた。着ぐるみの顔は案の定風に煽られっぱなしで、それでも悪の陰陽師たちやロードレースのライバルたちの目潰しになって効果はあった。