六月二十七日の夢(2本立て)
ここのところは中学高校の何かしらが夢に登場することが多くて、それは校舎であったり、制服であったり、実在の同級生や教師であったり。学生時代を懐かしむ気持ちの表れかと思いつつも、大学の要素が含まれた夢はまだ見ていない気がするのは、まだ私のなかで大学は過去になりきれてないからなんだろう。夢世界の混沌のなかに、学校がその規律を保ちつつ飲まれているのはおかしな気がする。夢でさえ学校がどこまでも正しくあるのはひとつの恐怖だった。
中学の社会の授業が急きょ自習時間となったので、私は図書館で参考書を借りてくる。それが『台湾オランダ語』なる謎のことばのテキストであって、他にも実在しない言語の本がいくつかあった。それは2冊セットのテキストであるらしく、通常は理論編と演習問題編のふたつがあるはずなのに演習問題のほうがない。語学の上達なんて演習ありきなのだけど、仕方なく私は理論編をひたすら読むことで時間を潰していた。何故か私の机の前に高校時代の現社の教師がしゃがみ込んでいて、何やら話しかけてくるのだった。
2年ほど前の講義でジプシーのドキュメンタリー映画を見たことがあるのだけど、ちょうどそんな感じで、各地を放浪している集団を私はビデオカメラで撮影している。私もその映像のなかにたまに登場するように撮影が進められているのだけど、果たして私はジプシーの一員なのか、それとも引っ付いてまわる撮影クルーのひとりなのかがわからなかった。イチョウの葉が敷き詰められた地面、麻のマント、釘で板を接いだ馬車、砂漠。全体的に黄色と茶色で構成された夢だった。廃線になってしまって枕木が崩れて荒れ放題の線路に、少女が座り込んでこちらに背を向けている。彼女は『ポルターガイスト』シリーズに出演しているヘザー・オルーク(キャロル・アン)だった。起きてすぐに思ったのは、ヘザーって変死したのよなあということだった。