11月20日の夢
海岸沿いの何もない国道にコンビニが一軒あって、海を臨むそのコンビニは随分だだっぴろい駐車場のど真ん中にポツンと建っていた。曇り空と海と駐車場のアスファルトがぼんやり煤けたような色をしているので、全体的に灰色がかった視界の夢だった。
そのコンビニの雑誌コーナーで私はある主婦の体験記を立ち読みしている。それは女性誌の増刊号か何かの体裁を取っているようだった。誌面でフォーカスされているその主婦は夢のなかの世界ではちょっとしたセンセーショナルな人物であるらしく、表紙には主人と仲睦まじく腕組みをしている写真数パターンがコラージュされていた。彼女は容姿が夫と釣り合わないことをたいそう気にしていたらしく、しかも夫に太った旨を指摘されたのだという。そして何故か缶詰アスパラとツナのサラダを昼夜問わず食べまくったところ、これまた何故かダイエットに成功しくびれが出現し美しさを手に入れたのだという。何やら胡散臭いことに彼女はファッションセンスが身に付いたうえに金回りも良くなったというエピソードまで記されている。記事を読みながら私はアスパラとツナのサラダのこと思い浮かべて、アスパラの水分とツナの油分でびったびただろうなあ、と考えていた。この缶詰アスパラはよくある白いほうではなく緑色をしていて、随分と柔らかく水煮にされている設定で、ナイフやフォークを刺すと簡単にすこんと切り分けられるものであった。食物繊維がでろでろに溶けてしまっているのだろうなあ。